まずGravitasの万年筆を買ったことがないなら、このペンは恐らくその中でもっとも使いやすいペンであることから、オススメする。
このVac2.0はGravitasシリーズで最新(2026/6/9時点)の吸入機構であるKrakenFillingSystemを搭載したもので、売りは大容量インクタンクかつボタ落ちなどに強いということ。
これ自体はMonsterシリーズにも搭載されているが、新たに首軸にもインク窓を採用し、メインタンクの残量も見えるようになっている。
透明な軸はウルテムという素材で出来ているため、黄色い独特なカラーリングとなっているが、そこに嫌悪感がなければぜひ使ってみてほしい。
使い方がわからなければ、ページ上部にあるVideoPresentationの動画参照。
またクリップは無いので転がって落下することにだけは注意。
そして何本かGravitasペンを持っているひとへ。
恐らく迷うとすれば、サイズ感は近いがピストン吸入式のGravitasシリーズか、或いは同じくKrakenFillingSystemを搭載したMonsterシリーズかといったところだろう。
結論としては、ロマンを求めるならMonster、使いやすさを求めるならVac2.0(本製品)、素材の味わいを求めるなら他Gravitasシリーズということになる。
PistonCarbonを使っている身からすると、インク残量が分かるインク窓があるのは元からそうなのだが、胴軸に透明素材(ウルテム)を使用していることで全体量が一目で分かるのが良い。
それに加えてピストン吸入式よりもかなり大きなインクタンクによって、インク持ちもかなりある。
もちろんペン先はいつものGravitasクオリティなので、インクフロー潤沢にして滑らかな書き心地で文句なし。
重量バランスも良く、適度な重みを持っているので
更に専用ツール(別売)によって吸入機構を分解出来てメンテも容易なので、利便性は全面的に上回っている。
一方で、現状素材はアルミとウルテムしかないので、Gravitasならではの多様な素材の味わいがないのは惜しいところ。
そちらを重視するようなら、他のラインナップが増えるまで待つことを勧める。
Monsterシリーズからの比較で言うと、やはり大人しい印象ではある。
とはいえ一回の吸入で3ml、二回で4.5mlという量はかなりの容量には違いない。
問題は容量よりも、首軸のインク窓による利便性や、細身の軸による持ちやすさ、重量バランス、キャップポスト時の安定性といった点でこのVac2.0の方が取り回しが良いという点にある。
それ故「Monsterは好きだけどちょっと使いにくいんだよな」と思っていたならちょうどいい選択肢となる。
ただ素材面はまだ限定されているため、やはり素材にこだわるなら一旦待ちである。
あとMonster用の分解キットとVac2.0用のキットは若干径が異なるため、使いまわしは非推奨。
最後に。
私は他のGravitasシリーズやMonsterを持っていても、このVac2.0を買ったことに後悔はない。
ハート穴の無いペン先も、いつも通り滑らかで非常に快適だった。
エボ芯ではないものの、潤沢なフローで問題なし(エボ芯の方が気持ちとしては嬉しいが)。
願わくば、アクリル軸でインクの色も楽しめたり、チタンやジルコニウムなど他の多様な素材の手触りを楽しめたりと、さらなる展開があることを。